熊取町の住宅~大屋根の家~


昔ながらのいぶし瓦のきれいな街並みの残る熊取町に建つ住宅です。
お寺の境内に住職様の新居として計画しました。
 
①環境にやさしい家造り
予算の許す限り、新建材の使用をさけ、環境に配慮した建材の使用を心がけました。
 
②健康にやさしい家造り
建物内装は無垢材の床や珪藻土塗の壁とし、内部建具も既製品を使用せず造作しました。合板フローリングやビニールクロスを使用した内装と比べても格段に空気のきれいで健康的な室内環境が出来上がりました。
 
③子供の心の成長にやさしい家造り
1、2階共に各部屋を仕切る建具は全て壁に引き込めるようになっています。それらを開け放つことにより全てがつながった空間ができあがるように計画しました。まだ子供たちの幼い間はオープンに大空間として使い、それぞれに部屋が必要になってきた時には建具を閉める事により部屋として使う事ができます。
また、2階に行くためには1階の広間を通って行くようになっているため、玄関をくぐってすぐ個室とはならず、いつでも家族間のコミュニケーションがとれる空間構成となっています。
 
④街並みにやさしい家造り
この住宅の建つ熊取町は昔ながらのいぶし瓦の住宅の数多く残るきれいな街並みです。これらの街並みに配慮し、うまく溶け込めるようこの住宅もいぶし瓦の大屋根としました。
また敷地がお寺の境内にあり、既存の本堂やこの建物の向かいに建つ母屋とのバランスや境内の雰囲気を壊さないよう、2階建てではありますが建物高さを極力抑え、境内内からの見た目には平屋に見えるような大屋根としました。
敷地や周辺の街並みにも配慮し、溶け込みながらも存在感のあるデザインの住宅となっています。
 
⑤住まい手にやさしい家造り
建物内の生活動線はお施主様の御家族の生活スタイルに合わせた間取りとなっています。
またお施主様のお仕事柄、衣装をたくさんお持ちであることから2階にはウォークインクローゼットや大屋根の下部を活かした小屋裏収納など、容量も充実した計画となっています。
さらに玄関網戸や和室の前にある木の格子、階段下の空間、ご主人のお仕事スペースなど、細部にもしっかりと配慮した計画となっています。


正面外観です。いぶし瓦の大屋根と深い軒先がアクセントになっています。


深い軒の下には既存の井戸があります。建物配置と外観はこの井戸の位置を計算して決めました。


玄関引戸は造作しました。網戸付きです。


井戸の前の窓には木製の格子をつけました。この格子も造作です。お施主様のご希望で京町屋風にアレンジ。


玄関内は大屋根を活かした吹抜け空間です。左手には間接照明を設置、下足収納は造り付けです。


玄関を入るとかわいい飾棚がお出迎えしてくれます。


キッチンからダイニング、和室方向を見る。建具を開け放てばおよそ23帖の大空間です。


L和室の建具を閉めるとこんな感じ。蹴込板のない階段のおかげで広さを感じます。


押入の右手はご主人の書斎スペースです。床を下げてあるので足を入れて座れます。


和室からキッチン方向を見る。左手のリビングボードも造作しました。


和室から階段方向を見る。階段1段目を広い台としてあり、色々と活用できます。地窓をつけて風の抜けを確保。


トイレ前の廊下には壁厚を利用して本棚を造りました。ここで本を手に取りトイレで長居!?


トイレの手洗台は工務店の社長さんの手造りです。


洗面所の化粧台です。こちらも工務店の社長さんの手造りです。


L型のキッチンは家具屋さんの造作です。右手の食器棚も造作しました。


階段から2階を見る。光の降り注ぐ開放感たっぷりの空間です。


2階の階段方向を見る。圧迫感のない手摺で広さを出しています。階段手摺も造作しました。


2階の洋室です。屋根形状を活かした勾配天井の空間です。扉を開け放てば2階は1室の大空間です。


収納量の大きいウォークインクローゼット。右手に見えるガラリで空気の流れを確保。


大屋根の形状を活かした小屋裏収納です。奥のガラリはウォークインクローゼットにつながっています。